野呂英作「シルクガーデン」 ー その毛糸の魅力を知り尽くす

シルクとモヘヤらしい光沢をまといながら、微妙なニュアンスに染め上がった毛糸です。はっきりとした色合いと大胆に色が変化していくのが特徴。この野呂英作の「シルクガーデン」の魅力を詳しくレビューしていきましょう。

野呂英作の「シルクガーデン」は、毛糸の色で遊んでみたい人に打って付けの逸品と言えるでしょう。ひと目見て印象付けられる鮮やかな発色と、かすかに異なる色の糸を撚り合わせることで生まれる奥深い色のニュアンスが美しい。ひとつの色から次の色へと変化していくグラデーションの味もさまざまで、ときに大胆にときにゆったりと変化していきます。どのように色が変化していくのか予測するのを諦めて、シルクガーデンに身をゆだねて編むのも楽しいし、好きな発色の部分をチョイスしながら編むのもまた楽しいでしょう。

野呂「シルクガーデン」はどんな毛糸?

野呂英作のシルクガーデンの毛糸玉
野呂英作「シルクガーデン」の毛糸玉とラベル

野呂「シルクガーデン」の魅力は、はっきりとした発色と、色が微妙に異なる糸を撚り合わせることで表現される奥行きのある色味。そして色の組み合わせのバリエーションが多彩で、さまざまなグラデーションの表情を楽しむことができます。

この野呂「シルクガーデン」を詳しく知るために、まずはラベルの記載内容に従ってこの毛糸の基本仕様を確認していきましょう。下表をご覧ください。

品名シルクガーデン
①色番/ロットCol.201/Lot.B
②色番/ロットCol.530/Lot.A
③色番/ロットCol.535/Lot.A
④色番/ロットCol.536/Lot.A
組成絹:45% モヘヤ:45% 毛:10%
重量50g
長さ100m
参考使用針8-10号
標準ゲージ14-16目, 22-24段(10cm四方)
メーカー株式会社 野呂英作
野呂英作「シルクガーデン」の基本仕様

まず色番についてですが、今回は4種類のカラー(①Col.201、②Col.530、③Col.535、④Col.536)をレビューしました。

そして組成ですが、この毛糸は絹45%、モヘヤ45%、ウール10%がミックスされているようです。絹とモヘヤが多いため、毛糸の表面には光沢があり、触った感触は滑らかです。

標準ゲージは14-16目x22-24段としてあります。毛糸の太さを実測してみると約2mm~約3mmと幅があり、毛糸の太さが細いところと太いところが繰り返し現れるのが、この毛糸の特徴と言えるでしょう。

また、野呂の毛糸に共通して言えることですが、この毛糸は単糸で、撚りの方向はZ撚りです。

次に、洗濯表示を見てみましょう。

野呂のシルクガーデンの洗濯表示
野呂「シルクガーデン」の洗濯表示

野呂「シルクガーデン」の洗濯表示には、●洗濯禁止、●漂白剤使用禁止、●タンブル乾燥禁止、●日陰の平干し、●上限110℃のアイロン可、●石油系溶剤による弱いドライクリーニング可、●ウェットクリーニング(特殊な水洗いと仕上げまでを行う洗濯処理)禁止、と表記されています。

野呂「シルクガーデン」を実際に編んでみた印象

毛糸玉から毛糸を引き出しながら、野呂「シルクガーデン」の魅力をじっくり観察していきましょう。なんと言ってもまず目を引くのが、毛糸の発色のよさです。毛糸の繊維がしっかり濃く染色されている印象です。そしてその色が単純ではなく、微かに異なる色糸が撚り合わされていてリッチな色合いになっています。毛糸の表面に光沢感があるのも特徴的です。

毛糸を触ってみた印象ですが、柔らかさと滑りのなめらかさがあり、心地よい気持ちにさせてくれます。

毛糸の表面をさらによく見てみましょう。

野呂「シルクガーデン」の編地の拡大写真
野呂「シルクガーデン」の編地の拡大写真
野呂「シルクガーデン」の編地の拡大写真
野呂「シルクガーデン」の編地の拡大写真

このように拡大して見ると、野呂のシルクガーデンの毛糸はしっかりと色が染め込まれていることや、表面に光沢感があることが分かります。このはっきりとした発色がとても印象的な毛糸です。

毛糸の太さには多少の変化があって、撚りの強さも場所によって強弱がありますが、全体的には撚りは弱めです。

毛糸を両手で引っ張ると、通常の撚り具合のところでは切れませんが、撚りの弱いところでは比較的軽い力でも切れることがあります。

では、野呂「シルクガーデン」の編地の表情を見てみましょう。今回は3種類のゲージでスワッチを編んでみました。

野呂英作のシルクガーデンのスワッチ。カラー201。ゲージは17目x23段。
野呂「シルクガーデン」Col.201のスワッチ。ゲージは17目x23段(10cmx10cm)。
野呂英作のシルクガーデンのスワッチ。カラー535。ゲージは15目x21段。
野呂「シルクガーデン」Col.535のスワッチ。ゲージは15目x21段(10cmx10cm)。
野呂英作のシルクガーデンのスワッチ。カラー530。ゲージは14目x18段。
野呂「シルクガーデン」Col.530のスワッチ。ゲージは14目x18段(10cmx10cm)。

毛糸の1本1本をよく見ると、微妙に色の違う糸が撚り合わさっているのが分かります。また、ある色が次の色に変わっていくグラデーションの調子はなめらかです。そして、色味がはっきりした編地になっています。このような特徴がこの毛糸の魅力であると言えるでしょう。ゲージがゆったりした3番目のスワッチを見ると、細い糸の部分の隙間が大きく、糸の太さの違いが分かりやすくなっていると思います。

気になる汚れや傷は見当たりません。

この毛糸は摩擦には強い方ではなく、強くこすると表面の細かな繊維が浮き上がって毛羽立ってきます。

編地を曲げたときの柔軟性に関しては、表面は若干の張りを感じるものの、柔らかく曲がるという印象です。

野呂「シルクガーデン」を使用した作品

野呂英作のシルクガーデンを使用したマフラー
野呂「シルクガーデン」を使用したマフラー

野呂英作の「シルクガーデン」を4色取り混ぜて、カラフルなマフラーを編んでみました。毛糸の発色の美しさを強調するために、編地は単調な1目ゴム編みにしました。

野呂英作のシルクガーデンを使用したマフラー
野呂「シルクガーデン」で編んだたマフラー

野呂のシルクガーデンらしい、グラデーションの楽しさがよく表現されていると思いますが、いかがでしょうか?

野呂「シルクガーデン」の購入方法

野呂英作の「シルクガーデン」は、全国の取扱店の店頭やオンラインショップで購入することができます。ぜひお気に入りのシルクガーデンを手に入れてください。