男っぽい渋めのまだら染め毛糸をシンプルに編み上げることで、毛糸が持つ美しく色彩豊かな表情を浮き上がらせます。前立てをファスナーにして、スタイリッシュで堅苦しくない印象を与えます。
渋くて男らしさが花開く感じと、太糸をザクザク編む感覚から、このカーディガンを「渋咲くジップカーディガン」と名付けました。
「渋咲くジップカーディガン」の特徴
- 渋い色のまだら染めがきれいな毛糸(野呂英作「綾紬)を使い、この毛糸をより美しく見せるために、編み目が素直に出るメリヤス編みで編み上げる。
- まだら染めに加えて太めの毛糸を選び、また裾などには2目ゴム編みをあしらい、武骨感を強調する。
- えりは2目ゴム編みを折り返してダブルのスタンドカラーにして、暖かさを確保しつつ雄姿のシルエットを描く。
- セットインスリーブ調にして、硬派な印象を与える。
- 前立てにファスナーを採用し、几帳面になり過ぎないスタイリッシュな雰囲気を加える。
まずはじめに、この渋咲くジップカーディガンの完成フォトをご覧いただき、そのあとで編み図とともにくわしい編み方をご説明いたします。
渋咲くジップカーディガンの完成フォト
渋咲くジップカーディガンの編み方
準備
- 糸
- 野呂英作 綾紬(100g/160m):色番82 7玉(合計700g)
- 針
- 9、11号2本棒針
- 8/0号かぎ針
- ファスナー
- オープンファスナー70cm
- ゲージ
- メリヤス編み 15目x23段(10cm四方)
編み方
後ろ身頃は、2目ゴム編みの作り目で86目作り、2目ゴム編みを編みます。次にメリヤス編みを編みます。袖ぐり、えりぐりは、2目以上は伏せ目にする減目にします。肩は引き返し編みで編みます。
右前身頃は、2目ゴム編みの作り目で42目作り、2目ゴム編みを編みます。次にメリヤス編みを編みます。袖ぐり、えりぐりは、2目以上は伏せ目にする減目にします。肩は引き返し編みで編みます。
左前身頃は、右前身頃と左右対称に編みます。
肩をかぶせはぎ(別称:目通しはぎ、かぶせ引き抜きはぎ)ではぎます。
えりは、えりぐりから74目拾い目をして2目ゴム編みを編みます。編み終わりは休み目にします。
前立ては、前身頃とえりの縁の目を拾いながら細編みを編みます。前立てにファスナーを半返し縫いで縫います。ファスナーの台布の縁は、表地にひびかないように編地の裏側でまつり縫いで縫います。
ファスナーをつけた後で、えりを内側に折り、えりの先端の休み目を拾って襟元にまつります。襟の側面もまつります。
袖は、別糸の作り目で42目作り、増し目をしながらメリヤス編みを編みます。袖山は、2目以上は伏せ目にする減目にします。編み終わりは伏せ目にします。袖口は、別糸をほどいて34目拾い2目ゴム編みを編みます。編み終わりは2目ゴム編み止めにします。
左右の袖用に2枚編みます。
袖下は、すくいとじでとじます。
身頃の脇は、すくいとじでとじます。
袖と身頃は、引き抜きとじでとじます。